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<MOTO GUZZI V11 SPORTについての対策 >

 昨年リリースされたモトグッツィのニューモデル、V11スポーツ。久々のネイキッドスポーツモデルだったことや、新型の6速ミッションを採用したことなどでかなり注目を集めるとともに、雑誌社の評価もなかなかのモノでした。
 しかし、車両について問題がなかったわけではありません。これまで様々なトラブルが発生しています。しかもそういったトラブルは、国産車では考えられないものばかりです。この事実だけを述べてしまうと「モトグッツィは出来が悪い」と判断されてしまいかねません。もちろん、モトグッツィはそういったツメの甘い部分がありますが、それを差し引いてもなお、魅力的なオートバイでもあるのです。
 でも、高いお金を出して車両を購入したユーザーの皆様にとっては、それは笑い事ではありません。
 そこで、すでにV11を購入されたオーナーの方や、購入を考えている次期オーナーの皆様に、より楽しく安全にそして永くV11を乗っていただくために、多くのユーザーが感じている不安点、そして既に発生してしまっている問題点について、私どもグッツィ・スポルト・ジングウシが実際に修理・対策を行っている箇所をご報告いたします。

ここでご報告する点については、輸入元である福田モーター商会さんを通じ、モトグッツィ本社にも報告しています。今後、何らかの対策が行われるものと考えられます。

◆高速域での車体の安定性について

●ステアリングヘッド周りのフレーム剛性
 V11は1100スポルトから継承されるバックボーンタイプのフレームを採用しています。そもそも剛性不足がささやかれていたフレームですが、V11になってフロント荷重を増やしたことで、ステアリングヘッド周りの剛性の弱さが露呈した結果になっています。具体的な症状としては、高速域で車体が不安定になり、車体の振れがハンドルにまで伝わってしまいます。

フレーム強化パイプ…1万9500円

↓対策
 ステアリングヘッド周りの剛性を上げるために当社では「フレーム強化パイプ」を開発し、装着を薦めています。この「フレーム強化パイプ」はメインフレームとフロントエンジンハンガーをつなぐパイプです。これによってステアリングヘッド周りの剛性を上げることが出来ます。

●トップブリッジの剛性とアライメント
 V11のトップブリッジは、高剛性の倒立フォークを支えるべく肉厚のトップブリッジを装着しています。しかし、フレームとのバランスを考えた場合それは過剰なもので、逆にトータルでの剛性バランスを崩してしまっています。また、フロント荷重が増え過ぎてしまっているのも問題と言えます。

アルミ削り出しオリジナルトップブリッジ
…3万9000円(ボルトオン装着)

↓対策
 当社ではフロント荷重過多を解消するために、フロントフォークを10mm突き戻すセッティングをオススメしています。ノーマルではトップブリッジとフォーク上面が同一の高さになっているため、10mm突き戻すと凹状になってしまいますが、問題はありません。
 また当社では、ちょうど良い剛性バランスのトップブリッジをアルミ削り出しで製作いたしました。またこのトップブリッジは、ノーマルに比べ10mm突き戻した状態で設計していますので、フォーク上面とトップブリッジが同一の高さになり、剛性とアライメントの問題点を一度に解消できます。

●タイヤ
 国内に流通したV11にはフロントのみ「ピレリドラゴンコルサ」というハイグリップラジアルが標準装着されています。このタイヤはピレリの中でもトップランクのハイグリップで知られています。この“ハイグリップ”が、V11にとって逆効果になっていると言えます。分かりやすく言えば、車体がタイヤに負けている状態です。

↓対策
 タイヤを替えるだけでハンドリングはグッと軽快になります。当社ではミシュランをオススメしています。また、現在のV11ではタイヤが変更されています。

◆走行中ののギア抜けについて

これには個体差があるので、全ての車両が必ずギア抜けするというものではありません。当社では納車前に私どもで走り込みを行い、そういった症状が出る傾向にあるのか事前にチェックしています。その症状が出た場合には、ミッションを分解しシフターリンク周りを見直し、加工及びパーツの作り替えを行っています。これによってギア抜けの症状は100%改善する事が出来ます。

◆リレーについて

リレーについては主に以下の2つのトラブルが多いと言えます。

  • スターターリレーのトラブル…セルが回らない
  • タコメーターが動かない…タコメーターだけではなく連動して充電系がストップしてしまうために、走行中にいきなりエンジンストップしたり、セルの回りが悪くなります

 これらのトラブルは、リレーそのものの製品性能によるものです。応急処置として新しいリレーに変更すれば直りますが、メーカーから送られてくるものは同じ品番のリレーのため、またいつ壊れるか分かりません。
 当社では、配線回路を変更しリレーも別のものを使用して対策しています。変更後のトラブルは、まだ一件もありません。

◆夏場のパーコレーションについて

 今年の夏には、エンジン熱によってガソリンが沸騰してしまう「パーコレーション」現象が起こり、走行後にエンジンが掛からなくなるというトラブルが頻繁に起きました。これは電磁ポンプがエンジン熱の影響を受けやすい場所にあったために発生したトラブルです。
 このパーコレーションについては、'01年夏までにはモトグッツィ本社から具体的な処理策が得られることになっています。
 それまでの対策として、当社ではエアクリーナーボックスを取り払い、そのスペースに電磁ポンプを移動しています。電磁ポンプを移動することで熱の影響を受けなくなるのでパーコレーションも起こりません。
 また、エアクリーナーボックスを取り払いパワーフィルターを装着しても、エンジンセッティングの必要はありません。それはノーマル状態でも濃いめに設定されているからです。空燃比計でもチェック済みですのでエンジンには問題ありません。


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