#6.V11 LeMans(ル・マン)

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 昨年末から各2輪誌の誌面を賑わせ、大いに注目を集めているモト・グッツィのNEWモデル<V11 LeMans(ル・マン)>。果たしてこのマシンは、ニュージェネレーション・グッツィとして登場したV11スポーツから何が変わったのでしょうか。当ホームページでは、V11スポーツの問題点も指摘してきましたので、ル・マンはその問題点を克服しているのか気になる方も多いと思います。ここでは、そのアタリをご説明しようと思います。

 ル・マンは、V11スポーツの問題点をふまえ、基本構造は同じとしながら、見えるところ&見えないところで数々の変更が行われています。変更と言うよりは熟成という表現が正しいかも知れません。確実に良い方向に進化していると言えるでしょう。

 分かりやすい変更点は、やはりそのスタイリング。大型カウルが装着されたことで、ウインドプロテクション効果が高まり、高速域での居住性が格段に向上したことは言うまでもありません。それにプラスして、ハンドル装着位置がV11スポーツのトップブリッジ下から上へと変更となり、シート位置&ステップ位置の変更が行われていないにも関わらず、ほんの気持ち程度ですが、前傾ポジションも楽に変更されています。

 また、『V11スポーツについての対策』でお知らせした問題点──具体的にはギア抜け、スターターリレー、パーコレーション──は全て解決してると言えます。このあたりの進化が、やはり熟成という言葉に値するのです。

 さらに各部の熟成が進み進化したことで、元来持っていたスポーツ性をキープしたまま、重量の増えた車体(乾燥重量226kg。V11スポーツに比べ7kg増)をしっかりと支えることが出来た結果が、スポーツツアラー、当社ではGTS(グラン・ツーリスモ・スポーツ)と表現されている理由なのです。

 では、その熟成が進んだ部分とはどこなのか。それによってV11ル・マンはどうなったのか。その各部を『フレーム周り』『エンジン周り』『足周り』に分けてご説明しましょう。


 『フレーム周り』は、まずバックボーンフレームを伸ばし、そのことによってホイールベースを約19mm延長し、1490mmとしています。また、キャスター角は、公称されている数字は25度のままで変わりありませんが若干寝ているように感じます。このキャスター角については、まだしっかりと分析を行っていませんが……。フレームの延長は、目で見てもその違いを感じることが出来ます。ステアリングステムボルトと、タンク前方に見えるフレームのブリーザーボルトとの距離が明らかに違いますから。その結果、前後の重量バランスが変わり、カウル装着によって重量が増加したにも関わらず非常にバランス良く仕上がっています。

 また、フレーム補強も新たに追加されています。フロントエンジンハンガーは、左右それぞれエンジンマウントから2本のハンガーを伸ばし、メインフレームへとつながっています。今までは1本のハンガーの中間部分を補強していましたので、この変更だけでも剛性は随分と向上していると言えるでしょう。さらに、左右のフロント側エンジンハンガーを繋ぐパイプは、オイルクーラー装着部を水平に繋ぐパイプに加え、そこからさらにエンジンマウントへと対角線に1本追加されています。これによって、フロント周りの剛性は格段にアップしたと言えるでしょう。

 さらに、ミッションケース後端のマウント部分には、クランクケースへと繋がる補強材を新設。ステッププレート裏、スイングアームピボット付近からクランクケースマウントへと伸びるクロスパイプも新設され、グッツィのウイークポイントとなるピボット周りの剛性も確保しています。

 これらフレーム周りの変更は、走り出せば誰でも感じることが出来ます(もちろんV11スポーツと比べてですが……)。高速域での安定感も格段に向上されていますし、コーナーリング時の切れ込みもありません。


 『エンジン周り』に関しては、基本的に変更はありません。ただし、インジェクションのプログラム変更によるものと思われますが、明らかに中低速域でのパンチ力が違います。具体的にはル・マンがよりマイルドな味付けになったと言えるでしょう。大型カウルを装着し、ツアラー色を強めたル・マンだけにこの味付けの変更は頷けるものです。V11スポーツと比べ、どちらが良いとかグッツィらしいとかではなく、どちらに対してもそれぞれの車両が得意とするフィールドに合った、グッツィらしい味付けであると言えるでしょう。
 最後に『足周り』に関してですが、前後サスペンションはV11スポーツと変わりありません。唯一の変更点はリアホイールサイズのアップです。ル・マンは5.5×17インチ、V11スポーツは4.5×17インチ。これによってタイヤサイズもル・マン→180/55ZR17、V11スポーツ→170/60ZR17になっています。通常ホイールサイズのみをアップした場合、車体の切り返しが重くなったり、リア周りにちょっとヨタヨタした感覚が発生するものの、このル・マンに関しては皆無。フレーム剛性がアップしたことや車体のディメンションが変わったことで上手くバランスが取れ、ネガティブな部分は感じられません。タイヤに関しても、V11スポーツの途中から採用されたブリヂストン製がそのまま装着されていて、車体とのマッチングも全く問題ありません。

 発売から今まで、何台ものル・マンを納めてきましたが、そこで言えることは「ル・マンはグッツィに興味を持つ誰にでもお勧めできるバイク」ということ。デイリーユースとしても、またツーリングの相棒としても、さらにはワインディングを楽しむスポーツバイクとしてもきっと心強いマシンになってくれるでしょう。もちろんそこには“グッツィらしいさ”というスパイスも十分に効いています。
 興味を持たれた方はショップに遊びに来て下さい。試乗車もございます。ル・マンを直接感じていただければ、この素晴らしさをすぐに納得してもらえると思います。

  • #01 エンジンオイルの話
  • #02 暖気の話
  • #03 バッテリーの話
  • #04 タイヤの話
  • #05 V11スポーツ
  • #06 V11 LeMans(ル・マン)
  • #07 ドゥカティもお任せ下さい!!
  • #08 ここが変わった!
    02年&03年モデルのV11ル・マン
  • #09 久しぶりにGSJが
    DAYTONAに参戦します!!
  • <EDIT BY 河野正士>
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