|
ここではモトグッツィを快調に、そして末永く楽しむためのワンポイントアドバイスから耳寄りな情報まで、グッツィ・スポルト・ジングウシが長年蓄積したノウハウや、世界中のネットワークから得た最新情報などをご紹介します。
春はもうすぐそこまで来ているのに、まだまだ寒い日が続いていますが、皆さんバイクライフを楽しんでいますでしょうか。さて、寒さがグッと厳しくなってバイクの調子が変わったりしていませんか。セルスターターが回りづらくなっていませんか。この時期、トラブルやメンテナンスの相談がグッと増えるのがバッテリーです。今回のコラムは、このバッテリーのことについてお話しましょう。
グッツィに乗って、まず最初に気が付くのがバッテリーの大きさです。イマドキの軽自動車並の大きさは、随分と無駄に感じてしまうでしょうが、これにもちゃんとした理由があります。バッテリーが受け持つ最大の仕事は、セルモーターを回すことです。この起電力に比べればライト類やプラグのスパークに消費する電力は大したことではありません。1100スポルト以降、セルモーター内にギアが設けられ、ギア比が軽くなって小電力でセルが回るようになったとはいえ、直径90mm近いピストン2つと重いクランク&フライホイールを回すには相当な電力を必要とします。しかも、その起電力を、70%程度の充電状態でも発揮しなければならないのです。この強い起電力を発揮するには、どうしても容量の大きいバッテリーが必要になるのです。
しかし、いくらバッテリーが元気な状態でも、気温が下がるとどうしてもセルの周りが弱く重々しくなってしまいます。これは寒さによってエンジンオイルの抵抗力が増しているということもありますが、もう一つの原因は、この寒さがバッテリーの電力パワーそのものを低下させているからなのです。
バッテリーは化学反応によって電気を創り出します。そしてその化学反応量=バッテリー容量は電解液の温度によって変動します。ですから、バッテリーの容量は電解液温度25度を基準に表されています。では、気温の変化がバッテリー容量にどう影響を与えるのか。気温が上がれば電解液温度が素早く上昇し反応が高まり、低下すれば反応が鈍る……したがって、気温が下がることによって化学反応量が低下し、バッテリー容量が縮小されます。これは、小さなサイズのバッテリーに交換したことと同じにことなのです。バッテリーの大きさはそのまま起電力の大きさに影響してしまうので、セルの回りが悪くなるという結果につながるのです。
また、バッテリーは充放電を繰り返すことで、徐々にその性能を低下させていきます。さらに、バッテリー容量に対して一度に放電する量が多ければ多いほど性能の低下が早まってしまいます。したがって、気温の低下によって性能を低下させてしまう冬は、バッテリーにとって非常に厳しい季節なのです。
では、バッテリーを常に元気に保つにはどうすればいいのでしょうか。
まずは、元気に走ることです。1100スポルトやデイトナ、チェンタウロといったヘッドライトが常時点灯のマシンは、オルタネーイターの改良で、アイドリング付近の1100回転ぐらいから蓄電状態がプラスになるものの、それ以前のマシンではエンジンを1300回転まで回してはじめてプラスに転じます。また、ヘッドライトを点灯すると1800回転から、さらにヘッドライトバルブをスタンダードの60Wから100Wに交換しているマシンは、さらに+500回転から蓄電状態がプラスなるのです。ですから、メリハリのある、元気な走りがバッテリーを健康に保つ秘訣なのです。
それでもバッテリーがアガってしまったら、充電器でできるだけゆっくりと充電してあげてください。目安はバッテリー容量の1/10のアンペア数で15〜20時間ぐらいでしょうか。急速充電はすごく便利なのですが、バッテリーへの負担が大きく寿命を縮めかねません。焦らないことが肝心なのです。
|